2017年7月29日土曜日

ウルバンヤーゲンセンRef.5 Pt

Urban Jurgensen ウルバン・ヤーゲンセン Ref.5 Pt


時計好き、イヤかなり時計好きの方でないとご存知ではないでしょうか「ウルバンヤーゲンセン」。

歴史はもちろんですが、デンマーク王室御用達のイメージが強いかもしれません。
現在は採用されていませんが、文字盤のCOPENHAGENの文字がそれを物語ります。

このブランドは大手メーカーとは違い、種類はほぼ一手のクラシカルのみで、手作業を重視し少量生産するブランドです。

特に、簡潔に申し上げますと、針と文字盤において他社とは比べ物にならないくらい凝った造りをしているブランドです。「針のオバケ」なんて言葉も出ていました。


Urban Jurgensen ウルバン・ヤーゲンセン Ref.5 Pt


Urban Jurgensen ウルバン・ヤーゲンセン Ref.5 Pt


Urban Jurgensen ウルバン・ヤーゲンセン Ref.5 Pt


このリファレンス5というモデルは既に生産終了のモデルで、日本国内の流通量もかなり少ないモデルかと思います。

特徴としましては、35mmという小径、2針、そして薄型ながら自動巻きなのです。このパターンからいくと多くは手巻きですよね。

またケース素材はプラチナで、特徴的な針はイエローゴールド無垢でできています。

また全体のフォルムに馴染んでリューズは考えられています。最近は操作性を重視されたリューズの方が目に付きますので、何となく嬉しくなるリューズです。


Urban Jurgensen ウルバン・ヤーゲンセン Ref.5 Pt


リューズに続いて、ケースフォルムもバランスが良いです。
これまた特徴的なティアドロップのラグですが、小さくデザインしてありますので上手く溶け込んでいます。このラグは好き嫌いが分かれますが、一見の価値ありでしょうか。

さらにステップ形状のケースがこの時計の雰囲気を引き立てている印象ですね。


Urban Jurgensen ウルバン・ヤーゲンセン Ref.5 Pt


「表の時計」としてはプラチナバックで正解なような気もします。
ローターの掘りは素晴らしいですが。


Urban Jurgensen ウルバン・ヤーゲンセン Ref.5 Pt


尾錠に気をつかうブランドは好きです。


Urban Jurgensen ウルバン・ヤーゲンセン Ref.5 Pt


最近の主張の強い時計と比較するとことさら古典な時計ですね。
独立時計師とまではいかず、針やギョーシェにここまで拘り、かなり少ない製造数。
稀有なブランド、稀有な物づくり、と云えるのではないでしょうか。

今や手に入らないリファレンス5。
得意ですよ、マニアックブランド。
是非、ご相談下さい。


Urban Jurgensen ウルバン・ヤーゲンセン Ref.5 Pt


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2017年7月25日火曜日

本当のスケルトン


CHRONOSWISS VITA クロノスイス ヴィータ CH7523SV


なかなかのインパクトでしょう!

ちょっとイメージが異なるでしょうが、クロノスイス。
現在の状態は何とも云えない状況ですが、以前のクロノスイスといいますと魅力的な時計でした。

ブランドコンセプトがはっきりしていて、とても時計らしく、それでいて汎用でないブランドでした。玄人うけするといいましょうか、時計好きには好評のブランドだったように想います。


CHRONOSWISS VITA クロノスイス ヴィータ CH7523SV


幾つか魅力的なモデルがございましたが、その中でも個性の強かったモデル「ヴィータ」。

この数年程前から文字盤がスケルトン仕様になったモデルが急激に増えましたが、最近のモデルが複雑なモデルが多いのでスケルトンとはいえ、まさに骨抜きに機械が見えるというのとは少し感覚が違うように想います。こぅ、デザインされたスケルトンと申しましょうか。


CHRONOSWISS VITA クロノスイス ヴィータ CH7523SV


さかのぼりますと、クォーツができる前の機械式時計はより薄くより小さくという、切磋琢磨がありました。

その延長線上とは云いませんが、90年代以前には一部の高級メーカーにおいて金無垢薄型2針の時計にスケルトンモデルがございました。
正に削ぎ落とされた時計で、それはもう美術工芸品のようでもあり、技術を見せつけるようでもありました。
・・・そして、オッチャン時計でした。


CHRONOSWISS VITA クロノスイス ヴィータ CH7523SV


過去のスケルトン。現在のスケルトン。
そのどちらでもなく、オッチャン時計でもなく、モダンでもない、そんな他にあまり比較のないスケルトン「ヴィータ」。

スケルトンでありながらもクロノグラフで、デイトも上手くデザインされています。


CHRONOSWISS VITA クロノスイス ヴィータ CH7523SV


CHRONOSWISS VITA クロノスイス ヴィータ CH7523SV

バックル部のしつらえにも感心します。
革ベルトの尾錠もそうですが、クロノスイスのこういった部分は本当に素敵です。

とここでようやくですが。
このヴィータ、少し違和感があったと思うのです。と申しますのは、ブレスが装着されているのです!
これは皆さん見たことないでしょう!!

はっきり云いますが、革ベルトの似合う時計だと想います。
それに、クロノスイスをブレス仕様にされている方を殆ど見たことが御座いません。
このブレス、ちょっとアクが強いのです。

アクの強いブレス。
昔はオッチャン時計のスケルトン。
こうくれば、悪ノリしてみるものです。
案外ハマるものです。


CHRONOSWISS VITA クロノスイス ヴィータ CH7523SV


ベルトで楽しむ、型にはまらない、時計の楽しみ方は自由ですが、やはりそこにはベースとなる時計本体の素質が重要となるでしょう。

クロノスイス、そしてヴィータ。
深く噛み締めてみると、とても時計らしく、純粋に機械式時計を愉しませてくれるモデルのように感じます。

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2017年7月21日金曜日

REVERSO

GRAND REVERSO ULTRA THIN TRIBUTE TO 1931グランド・レベルソ・ウルトラシン・トリビュート・トゥ・1931 Q2788570


レベルソ。
いきなりこう書き出すわけですが、時計がお好きな方でしたらお許し戴けるでしょう。
そんなにお詳しくない方でも「あぁ、ひっくり返るやつね」との会話になります。

1931年からと考えると感心いたします。
なかなかそのようなモデルは無いのではないでしょうか。

角形の時計、というと皆さんどの時計をイメージされますか?
レベルソはレクタンギュラーモデルの代表格といってもよいでしょう。

ポロから始まったわけですが、反転ケースという点もこのモデルの確立に大きく貢献しているでしょうね。
そして、色々な意味で、ジャガールクルトという真面目なマニュファクチュールという点も屋台骨となっているでしょう。


GRAND REVERSO ULTRA THIN TRIBUTE TO 1931グランド・レベルソ・ウルトラシン・トリビュート・トゥ・1931 Q2788570


角形時計はどうしてもクラシックな様になります。
最近ではベルアンドロスやウブロなど角形スポーツウォッチもありますが、とはいえ全体的に見るとやはりクラシックモデルが多いです。

レベルソなんてのはその最たる例ではないでしょうか。
襟付きのシャツを着て、革靴を履いて、レベルソを腕に巻けば、もぅ背中には紳士の二文字です。
・・・とは大袈裟ですが。
個人の好みはあれど、また古典的でもあれど、ソノ様をお洒落と呼ぶに遠慮は不必要でしょう。

そんなレベルソ。
最近はメーカーのカタログを見てもですが、結構な金太郎飴状態です。
パネライもですけど。
また自動巻きに切替えたと思えば、1年で手巻き復活。
これは結果オーライとしましょう。

・・・念の為に。好きなのですよレベルソ。過去に何本も購入してますから。
そこで気になるレベルソを一つ。
グランド・レベルソ・ウルトラシン・トリビュート・トゥ・1931」です。

すでに記しましたがレベルソは基本的にクラシックです。スクワドラやグランスポール等を別にして。
そんなレベルソにおいて、数少なく別の要素を持っているのがこのモデルだと想うのです。

黒文字盤という点が大きいのですが、僅かにミリタリーな雰囲気も感じます。
NATOベルトもしっくりきそうです。

そして文字盤にはJaeger-Le Coultreの文字がなく「REVERSO」の文字。
復刻モデルということでですが、コレも地味に大きな要素です。


GRAND REVERSO ULTRA THIN TRIBUTE TO 1931グランド・レベルソ・ウルトラシン・トリビュート・トゥ・1931 Q2788570


GRAND REVERSO ULTRA THIN TRIBUTE TO 1931グランド・レベルソ・ウルトラシン・トリビュート・トゥ・1931 Q2788570


ケース形状に合わせた専用ベルトが装着されます。
よく考え、工夫されています。

ですが、日本人の手首を考えた場合多くの人の手首には沿いにくい形状です。残念ながら。欧米基準ですよね。
ベルトは替えた方がしっくりくる方が多いと想います。


GRAND REVERSO ULTRA THIN TRIBUTE TO 1931グランド・レベルソ・ウルトラシン・トリビュート・トゥ・1931 Q2788570


GRAND REVERSO ULTRA THIN TRIBUTE TO 1931グランド・レベルソ・ウルトラシン・トリビュート・トゥ・1931 Q2788570


50才過ぎたら考えるモデルかな。
ではなくて、若いうちから着けるべきです。レベルソは。

色々と、素敵なモデルがございます。レベルソ。
どのレベルソにするのか?是非ご相談くださいませ。


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2017年7月18日火曜日

ゼニスエルプリメロミドリ



2017年のゼニス。
ジャンクロードビバー氏がCEOに就任し、最後の采配になるやもしれないという意味でも注目を浴びるでしょう。

かつてのビバー氏の功績をみても解りますが、何せアクションが早いです。
初年度のゼニスとしては、「デファイ」が注目モデルになりそうな気配。




デファイは過去にもラインアップされていましたが、今年新たに発表されたモデルは70〜80年代に見られた独特のケース形状を意識しているように想います。


そして、このタイミングで登場のアンティーク。バッチリのタイミングなのです!

1970年代前半のエルプリメロで、当時の流行をハッキリと形にしたモデルだと想います。
その近未来的なケース&ブレスデザイン。
独特な文字盤の色。
文字盤等細部に見られる個性的なデザイン。

過去を振り返っても、この年代の独特のデザインは稀有で、今後の復刻版でもリリースされる可能性の低い時代のモデルだと想います。
解り易い例えの一つで、ロレックスデイトナのポールニューマンモデルが似た年代ですね。




何ともいい難いグリーンに赤い針が映えます。
日付の位置もエルプリメロ。
また多角形で艶ありベゼルがアクセントになっていますね。








サイズも程よく、厚めのケースがいい塩梅。
そして、いかにもこの時代のデザインといったブレスがよりこの時計の雰囲気を高めます。










レアな個体といえるでしょうし、程度がかなり良いです。
今の時計にはない、小さいながら濃く主張するところが魅かれます。

この雰囲気がストライクの方にはど真ん中ではないでしょうか?
エルプリメロを1本は所有、こういった形での選択如何でしょうか。


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2017年7月15日土曜日

続 ナビタイマー



少し前にナビタイマーの白文字板のことを書きましたが、同じ流れでオーソドックスながらへそ曲がりモデルをご紹介。

再度記しますが、ナビタイマーといえばやはり黒文字盤。
厳密には外周メモリ(ベゼルメモリ)は白色、そしてインダイヤルも白色がそのイメージです。




ところが最近の風潮が、オール黒文字盤!ここ数年で顕著です。
オーソドックスなモデルと比べ少し感じるのが、全面黒にすることによりスポーティーでモダンなイメージになります。ベルトを変えると特にですね。

そして、それを裏付けるかのように、オール黒文字盤のモデルは殆どがかなり大型でリリースされています。
そんな中、唯一程よいサイズなのがこの「ナビタイマー01 リミテッドエディション ストラトスグレー」です。




厳密にはダークグレーにブラックのインダイヤル。
日付の色も抜かりないです。

赤色のクロノグラフ針が映えてGood!

そして何と云っても特徴的なのが、グラスバックから見えるローターがナント黒色なのです!
このモデルの為に備えたといわれていますが、初めて見ました。ちょっとビックリしました。
(裏側画像が無くお許しを)

同じく裏から見える機械は、自社ムーブの01。
既に認知された機械で色々と良い面がございますが、幾つかのメーカーから昨今続々と見られる新しい機械と比べますと、日付の早送りがいつでもできる点は特徴的に想います。






やはりベルトを変えるとスポーティーに感じます。
今までナビタイマーにラバーベルトを合わせるという発想はあまり無かったように想いますが、この頃から純正ベルトで仕様ができました。いいんじゃないでしょうか、気分です。




かれこれナビタイマーの種類も相当増えました。
ほんの少しの違いになってきましたが、購入するタイミングがその選択の枠組みをつくるのが実際でしょう。事実限定品が相当多くなりましたので、それも大きく影響します。

どのナビタイマーにするのか?
なかなか楽しい悩みだったりするのではないでしょうか。
是非ご相談くださいませ。


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2017年7月12日水曜日

類は友を呼ぶ?



本当によく起こる現象です。
久し振りに見たモデル、滅多に頼まれない作業依頼、その後続くのです。




先日に続いてベルアンドロスのミステリーダイヤモンド。
前回は日本限定のピンクでしたが、今回は当時レギュラーモデルのブラック。
ちなみにプレーンベゼルと、数字の入ったベゼルと、2種類ありました。
またレギュラーモデルとしてシルバー文字盤、またベゼルにダイヤモンドが入ったタイプもございました。




さて、色違いでした。
だけでは終わりません。掲載理由があるのです。
さて、何でしょう?
間違い探し。画像を見て何か違和感を感じた方は時計通。




・・・実はブレスが違うのです。
本来の純正ブレスは前回ピンクの3連駒のブレスが純正品です。
今回掲載のこのブレス、実は昔のジャガールクルトのブレスなのです!

腕時計ベルトのバリエーションが増え、今や色々な楽しみ方ができるようになりました。
とはいえ今だ厄介なのがブレス。こればかりは純正品以外でナカナカ良い物がないです。
その大きな理由として付け口の問題があるように思います。ラグ部と呼ばれるベルトの付け口はモデルによって微妙に形状が異なるので、ブレスのように硬い素材は装着が容易でないのです。

とすると今回のようなケース、かなりレアな例だと思います。
実際付け口に隙間はできていますが、オーナーの性分で可or不可でしょう。
幾多ものベルトを付け替えしてきましたが、記憶に残る内容でした。
まず間違いなく、世界で1本のミステリーダイヤモンドでしょうね!


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2017年7月10日月曜日

「ミステリーダイヤモンド」という名の時計。



時事ネタとしては「サスペンス」なのでしょうが、こちらは「ミステリー」。
一見よく似た意味にもとらえられそうですが、ミステリーには(神秘的、不可思議、怪奇)の意味があるようです。

とすれば、もちろん「神秘的」をイメージして名付けられたと想いたいのですが、実際は「不可思議、怪奇」の方かもしれません。




というのは画像を見て戴くとわかるかもしれませんが、この時計の針は長針が1本だけで短針の代わりがダイヤモンドなのです!

ご存知の方も多いのでくどくは記しませんが、文字盤一杯のクリアの板にポイントのダイヤモンドがセットされ、その板が針の代わりに回っているという仕組みです。

知るとなぁんだ〜ですが、一見エッ?です。
やはり不可思議・怪奇の方でしょう。




時計造りに関してはその時代背景、経済状況、業界の動向、いろいろな事に影響を受けそれがモデルに反映されるように想います。

さてやミステリーダイヤモンド、既に生産終了のモデルですが面白いアイデアですよね。
こういった発想力、そして商品化すること、私は好感です。

・・・とすればやはり、神秘的でいいのですね。




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2017年7月8日土曜日

梅雨時期



旬の物を食べるというのは心身ともに良いですよね。
現代ではいつでも好みの物を食する事ができますが、本当の贅沢は前者でしょう。

さて季節を意識するとすれば梅雨。この時期特有の季節です。
と思っていましたが、いつ梅雨明けしたのかよくわからないまま、あまりシトシトしませんね。

この季節、雨模様の情緒や紫陽花やかたつむりなど、 旬を感じられるモノもございます。
が、困ることもございます。
・・・とここで時計屋ネタ。


よくあるこの季節の困り事としては、ベルトのべたべた感や時計の結露などがございます。
これに関してはよく耳にする内容で、昨今では対処法として湿気に強いベルトの種類が増えましたし、多くの時計の防水性が上がっています。

そこで今回はもう少し古い話。
機械式時計の動力源はゼンマイですが、1940年以前のゼンマイは梅雨時期によく切れたそうです。当時原因は解明されず、技術者はひたすらゼンマイ交換に追われた時期だったようです。

続けますと、その後ゼンマイも新たに開発され顕著な症状は解消されたようです。
更に現在では、シリシウムなどが採用され耐磁やオイルレスなど、素材や技術の進歩がめまぐるしいですね。


季節によって感じる事、職業によってもそれぞれあるかもしれませんね。
時計業界においては、季節柄はどんどん少なくなっているようにも感じます。

P.S. 写真は冬時期のものですが、この季節の時計屋あるある。
ハイネックを着ていると、キズミ(時計修理時に目にあてる拡大レンズ)を首につけたまま気づかず帰宅してしまう、、、
ちょっとマニアック過ぎましたかね〜、デハデハ。


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