2017年5月30日火曜日

1/10秒?



「この顔にピンとくれば110番」というのを見たことがありますが、時計好きの方ならお解りでしょうか。




ハイ、「ゼニス エル・プリメロ」と一目で解る顔です。

余談ですが、ゼニスとは「天頂」という意味で、エル・プリメロとは「第一の」を意味します。凄いネーミングですよね。そう余談ではなく、とても重要な内容です。




ただしこのエル・プリメロ、通常のエル・プリメロとは異なるのです。

何が違うのかというと、通常のクロノ針(赤針)は1周するのに60秒かかります。1秒づつ動くのです。普通のクロノグラフは全てそうです。

ところがこのモデル、1周するのに10秒しかかかりません!
1/10秒が計測できるのです!と云われてもピンときませんよね。通常のクロノ針の6倍の早さで動くのです。

これは唯一無二の完全自社機構で、そのモデル名を「ストライキング10th」と名付けられています。






「ヘェ〜凄いね〜」となりそうですが、それだけで終わらせることはできません。
シンプルな3針モデルと比べ、クロノグラフは実際非常に複雑な機構です。それに何重もの考えを重ね、幾多もの工夫が凝らされているのがこの「ストライキング10th」なのです。

そういう事実を知り手にすると、その重みが増すのではないでしょうか。








1時間に36,000回という高速振動をする銘機「エル・プリメロ」。
その誕生年、1969年にちなんだ1969本限定のUSED品。

2017年現在も製造される超ロングセラーであり、これから先も造り続けてゆかれるであろう類い稀な機械。
レトロなデザインではあるのですが、古臭さを感じさせない時計です。オープンもデファイもよいですが、1969という数字が絡んだエル・プリメロ、反応してしまうのです。


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2017年5月25日木曜日

8日巻きWatch

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ジャガールクルトといえばレベルソ。否定はしません。
ですが時計屋からしてみると、あえてレベルソを所有する前にマスターシリーズを考えるナンテ思考には少し反応してしまいます。時計好きのニホヒがするのです。

昨今よくできたマスターシリーズというと、シンプルという意味も含めマスターコントロールがあります。このモデルは多くの方が手に入れられたのではないでしょうか。
またはジオグラフィーク。これもマスターシリーズの傑作と云えると想います。

よく解ります。しかし良い意味でヘソを曲げてみると、何かもう一押し欲する感情が芽生えます。人が持っていないモデル。
そんな時、候補となりうるのは往々にしてコンプリケーションモデルだったりします。そうなると心構えといい、価格といい、大きな決断となります。

そんな方にお薦めできるのが、この「マスター8デイズ」。


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まずジャガールクルトらしさを感じる、アンシンメトリーなデザイン。
実はシンプルな機構にも関わらず、複雑に見えるデザインです。
実際は「何時・何分・何秒・日付・デイ&ナイト・パワーリザーブ」、特殊機構でなく実用性の高い要素のみなのです。


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そして何と云っても最大の特徴はロングリザーブ。8日巻きです。
ロングリザーブというと一見大した事がない機構に思えがちですが、実際は数少ないメーカーしか造れない機構である事が難しさを表しているかと思います。

また昨今はロングリザーブの機械が増えましたが昔から造っているメーカーは少なく、勿論ジャガールクルトはその内の一社なのです。


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昔からロングリザーブを造る会社の内、ワンバレル(ゼンマイ1つ)とツインバレル(ゼンマイ2つ)の違いがありましたが、昨今はツインバレルの効能について評価されているのをよく目にします。

このマスター8デイズはツインバレルです。
グラスバックから見える大きなプレートと、その装飾が特徴的です。またスワンネック緩急針が時計好きの心をくすぐるのではないでしょうか。
こういったディテールは古典的な時計を愛出る要素であり、また昨今においてもそのあたりを忠実に施すところがジャガールクルトたる所以と云えるのではないでしょうか。


 Q1608420


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表から見ても、裏から見ても、過去を見つめ直しても、ソシテ未来を想像しても、真面目なブランドだなとつくづく想います。
信頼できるブランドではないでしょうか、ジャガールクルト。

既に生産終了の「マスターエイトデイズ」新品。
オツな時計です。


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2017年5月17日水曜日

ボンボン時計 デッドストック!




妙なもので、よく似た話は続くものです。
購入・修理・委託、掛時計つづきです。

このダンボール、修理ではないのです。
ナント45年ほど前のデッドストック!未使用です。
そこには「高級」の二文字が記されています。




年代からしますと、丁度クォーツができた頃ですのでこの後大半が電池式へと移行し始める頃です。
ですので、ゼンマイ式掛時計としては最終あたりと云えますかね。

クォーツ前の機械式時計というと、精工舎(服部時計、後のSEIKO)などを思い浮かべられることが多いかと思いますが、いわゆるクロックに関しましては愛知県が国内トップの時計産業地でした。

この「明治時計」も当時のクロック時計の代表する一つです。
デッドストック故に一式付属致しますが、”時計は明治”と記されたタグが当時の風潮を偲ばせます。
こういったフレーズ、妙に魅かれます。最近では使いませんよね。ちょっと笑ってしまいますが、ソコがいいです。
















ボンボン時計となると八角などのもっと古いものを求められる方が多いです。
ただ、そこにはインテリアとしての意味合いが多分にあり、実用という意味合いは薄い場合が多いように感じます。
実際に実用という意味では、個体差が大きく概ねファジーです。

実用として考えたい。そして、嗜好品としてもありたい。
そういった場合、合致するものはナカナカ難しく、何かしらを妥協する形が多いです。

そういう意味では、一見の価値ありのボンボン時計です。
この時計でしたら実用も十分です。(さすがに電波時計レベルとは比較しないで下さい)
古い物は1週間巻きが多いですが、この時計は1ヶ月巻きですのでこの点も大きいです。
そして、なんてったって、デッドストックなんて殆ど見ることなどありませんから。

家における掛時計。実は割と大きな存在だったりします。
ボンボン時計、まさにチクタクと音がします。そしてこの音が、煩いのではなく心地よいと感じれる世界へ如何でしょうか。


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2017年5月13日土曜日

パテックフィリップ アクアノート トラベルタイム 5164A-001



しかしジェラルドジェンタデザインの高級スポーツウォッチの人気ぶりは長いですね。
どれも銘モデルという事もありますが、ここまでとは。

各モデルで共通して云えるのはSS三針モデルが極端に人気という点ではないでしょうか。
色々加味し、現実的に考えるとわからなくもないです。

しかし逆に考えると、SS三針モデル以外は「皆が持っているモデル」ではないという事です。




「アクアノート トラベルタイム」機能に加えシンメトリーなデザイン、よくできた時計です。

そして何よりパテックフィリップ社の時計の質感。
それは細部に至って、他の追随を許さないとは正にと感じさせられます。




ケースの仕上げ、面の取り方、エッジの立ち方。




トラベルタイムのプッシュボタン。




エンボスにグラデーションがかった文字盤。




美しい仕上げのムーブメントに21金ローター。




PPシール。




カラトラバ十字のバックル。




数少ないブランドに見られる良くできたバックル。




トロピカルの裏にもカラトラバ十字。




興奮する時計の一つなのです。


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2017年5月11日木曜日

ベル&ロスのカラーモデル。

vintage126XL


引き続き、ベル&ロスのカラーモデルです。
カラーモデル、と書けるところがベル&ロス所以ですね。

今のところブログ掲載の殆どが稀少品でして、このモデルも引き続きます!
前回のBR03がメジャーモデルの稀少品であれば、この「ヴィンテージ126XL」はマイナーモデルの稀少品です。
へたな限定品より数が少ないのではないかと想います。


vintage126XL


まずは先に記しましたように、ブラウンの文字盤。
2000年代のある時期からブラウン文字盤が浸透し始めました。
(厳密にはそれ以前にもハバナカラーは数社からリリースされていました)

とはいえ昨今のブルー文字盤とは程遠く、数少なく見受けるといった現状です。
ですので1社で複数モデルのブラウン文字盤をリリースすることは稀ですし、また期間を置いて再度ブラウン文字盤モデルをリリースする時は前回のブラウン文字盤とほぼよく似た色だったりします。

そこへきてベル&ロス。やはりちょっと違います。
過去にも約4モデルほどブラウン文字盤をリリースしていますが、それなりに色合いが異なっています。


vintage126XL


次にサイズ。ベル&ロスにおいてヴィンテージというシリーズはとても重要なシリーズです。
今やBRシリーズに主役を奪われた感も否めないですが、創業時のSinn社から一本立ちした時に大黒柱として据えられたのはヴィンテージシリーズでした。
ヴィンテージ123(3針)&ヴィンテージ126(クロノ)、双方ともオーソドックスでありながらもベル&ロスらしさが見て取れるモデルでした。

長年造られ今もマイナーチェンジをしながら存在するヴィンテージシリーズですが、マイナーチェンジ前に短い期間造られたモデルに「ヴィンテージXL」というモデルが在りました。
その名の通り一回り大きく、そして厚みのあるモデルでした。


vintage126XL


所有者はとても少ないのではないかと想います。
それは当時の情報からしてみても、USED市場からしてみても。

肩に力を入れずにお洒落ができるモデル、でしょうか。
ベル&ロスの時計は、そういったイメージであって欲しいですね。

この手のタイプですと黒文字盤が多いですが、色が違うとかなり印象が変わります。
他人が持っていない物が好きな方、如何ですか?
正規品のUSED品です。


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2017年5月7日日曜日

有名なモデルになりました。

BR03-94 orange


ひょっとすると、これから無くなるブランドが出てくるかもしれない時計業界。
世界は、経済は、目まぐるしく変わってゆきますね。時計も然りで。

老舗ブランドはさておき、比較的新しいブランド、もしくは中小ブランドは継続的な工夫が必要になってくるはずです。
そんな中、期待できるブランドの一つが「Bell&Ross」。


BR03-94 orange


フランスはパリの会社(製造はスイス)、というところが惹かれます。
そんなことないですか?
文字にしてみてもイイです、Paris、巴里。

加えて、バックにCHANELという点も大きいです。


BR03-94 orange


またこのブランドには確固たるデザイナーが居るというのが大きのではないかと想います。
事実、形であれ、色であれ、またオーソドックスなデザインの中においても見とれる細部のデザインであれ、気が利いていると感じます。


BR03-94 orange


更には、ブランドコンセプト。
そこがしっかりしていて、製品に反映されていると想います。
確かに中小ブランドにおいて光る要素をもっているブランドは、この点において皆共通ではないでしょうか。


BR03-94 orange


デザインに特徴を見るベル&ロスというのであればこのモデル「BRシリーズ」が代表格なのは云うまでもなく、また今やこのシリーズがベル&ロスのアイコンモデルであることも周知の事実です。

まぁまぁ時計好き、っていう人でもこのモデルは見たことがあるかと思います。
ラルフローレンさんが気に入られたなども有名な話ですね。


BR03-94 orange


実際、このシリーズが初めて発表された時はビックリしました。
「スクエアのスポーツウォッチ」他には無い、他のブランドの発想には無い、と当時感じました。また発表時のバーゼル招待状においては、裏蓋の画のみを案内状に載せるという点も感服でした。


BR03-94 orange


この「BR03-94 orange 250本限定モデル」は、実はBRシリーズで一番初めにリリースされた限定品です。
黒色のケースにエマージェンシーカラーでもあるオレンジを採用している点は、機能という点でのベル&ロスのコンセプトにも合致し、かつミリタリー一辺倒でないデザイン性も共存しているという如何にもベル&ロスらしい限定モデルだなと想いました。

事実、どこだったかの国で発売直後プレミアム価格がつくなどの状態になっていました。

USED市場でもなかなか出てこないレアモデルです。正規品ワンオーナーで一式整備された非常に綺麗な個体で、ベルトも新品が装着されています。


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2017年5月3日水曜日

続きます。

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流れに続きまして大御所?の登場です。
「IWC パイロットウォッチ マーク12 イエローゴールド」
ネオヴィンテージと申しましょうか、人気のある少し前ミリタリータイプとしては大御所と呼べる立ち位置といっても過言ではないように想います。


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IWCの顔ともいえるパイロットウォッチ マークシリーズ。
もちろん現在もマーク18として継続製造されていますが、選ばれる方が異なるかと想いますが、マークシリーズにおいては溯るほど人気があると云えるかと想います。

ただしマーク11以前になるとヴィンテージモデルのカテゴリーとなり選ばれる方が更に限られてくるため、多くの時計好きの方が一番目を向けられるのがマーク12というのが現状ではないでしょうか?実際マーク12のUSED価格は以前より高くなっています。


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一番の語り口は、機械がジャガールクルト社製という点でしょう。
そして今となっては36mmというケースサイズも挙げることができるでしょうか。
実用性とクラシックな部分がうまく融合されているモデルだと想います。

「魚リューズ」もしっかりと残っています!


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ホールマークもくっきりです。この個体の程度がお解り戴けるかと想います。


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尾錠も綺麗な状態です。


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あれやこれや尾ビレ背ビレとデコレーションしていないところが良いのかもしれません。
以前の時計故にでしょうね。良いことだと想います。


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シンプルイズベストではないですが、シンプルな時計でクラシックなモデルは沢山ありますが、スポーティーなモデルで秀逸なモデルは決して多くないように想います。


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このモデルのミソはイエローゴールドという点です。
今やピンクゴールドばかりになり、イエローゴールドは殆どありません。

またパイロットウォッチ自体は沢山ありますが、イエローゴールドのパイロットウォッチという特別感が琴線に触れます。
パイロットウォッチという意味では実用性に重きを置くことが多いと思うのですが、そこにイエローゴールドというある種天邪鬼な感じが好きです。

そしてツヤ消し仕上げになっている所がGoodです。真鍮のようなというと怒られそうですが。ゴールドモデルのピカピカが苦手な方にも是非一見です。

そして、ベルトを是非変えて下さい。
グッとお洒落な時計になります。金時計の幅の広さを知ります。

ともあれ非常に数の少ないモデルなのです。
抜群の状態で付属品無しのUSED品です。オススメ。


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