2018年3月27日火曜日

生まれ年ならぬ、、、



・・・今回はとあるお客様の話。

1965年創業の会社で三代目にあたるお客様。
「会社って三代目で潰すって言うでしょ。本来はプレッシャーになると思うのですが、潰すが前提と思えば怖いものなしだったりするんですよ。」

そうおっしゃられる笑顔の奥には、ただならぬプレッシャーと対峙してきた自負があってこそと想像するのは容易なのですが、やはり経験者にしか解らないことがあって、不思議とソレが年輪のように表に出てくるように想います。

「今気になっている時計があって、スクエアケースなんだよね。」

この方は全て承知で仰せなのか、はたまた手繰り寄せる何かをお持ちでいらっしゃるのか、私の脳みそは錯綜するのでした。




・・・ゼニス ニューヴィンテージ1965。
その時計は1965年にゼニス社によって製作されたモデルの限定復刻版で、スクエアケースのモデルなのです。

こういう事が起こるので、やめられません。
三代目で潰すなんて話をしながらも、会社に対して強い想いをお持ちでいらっしゃるのは嫌でも感じるのでした。
またくしくも、ゼニス社の創業が1865年。












昨今の時計選びは、ちょっと残念に想う事も少なくありません。
時計市場が成熟した為に、嗜好品としての意味合い以外の要素が強く感じ取れることが増えました。

もちろん高額品であるからとは思いますが、もう少しこういった出会いを感じさせる事だったり、ご自身の好きの基準に沿ってなどといった、脳みそで感じるより心で感じるパートナー選びが増えれば嬉しい限りです。

・・・さてや今回のゼニス。
2065年には四代目の手元で時を刻んでいるのでしょうか。
機械式時計という物が、そういった時をつなぐロマンチックな存在であることを切に願うのです。


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