2017年11月13日月曜日

SWISS MADE の時計。



かなり以前からのことですが、時計業界においてウォッチフェアを定期的に開催することが定番となり、その場において集中した販売をする風習が根付きました。
新作発表後のワールドウォッチもあれば、それぞれのブランド単体のフェアも開催されます。今やいつでもどこかでは開催されているようなイメージですね。

そのフェアですが、ちょうど今「Hモーザー」のフェアが開催されているようです。

Hモーザー(ハインリッヒ・モーザー)は1828年創業のマニュファクチュールメーカーで、2005年に復活を遂げています。
もちろん知名度のごとく大きなメーカーではございませんが、驚くことなかれヒゲゼンマイや脱進機を他社に供給できるリアルマニュファクチュールなのです。この一文は、時計好きの方に対してHモーザーの格をあげるのには十分な一文だと想います。

私自身も好きなブランドですが、このHモーザー、近年驚くべきモデルを発表しました。
1本はご存知の方も多いと想いますが「アルプウォッチ」といいます。そうですアップルウォッチではなくスイスアルプスからのアルプウォッチです。名前だけでなく形を見れば一目瞭然ですが、イイですね〜こういうの好きなノリです。発表当時はYAHOOのトップニュースにも掲載されました。もちろん中身はしっかりとした機械式です。


Swiss Alp Watch スイスアルプウォッチ Ref 5324-0207 Ref 5324-0208


そしてもう1本が「マッドウォッチ」です。この時計はスイスメイドに対する意識として1本のみ造られた時計で、ナント100%Swiss Madeです。
ベルトも見たまま然りで、ケースにはヴァシュランモンドールが使用されています。美味しいですよねヴァシュランモンドール、とは不謹慎ですが。文字盤もスイスの国旗をイメージしています。


SWISS MAD WATCH スイスマッドウォッチ REF 8327-1400


Hモーザーのスイスメイドに対して投じた一石は、一見横着にも見えますが、大きくなり過ぎたかもしれない今の時計業界の物造りを考えると共感できる部分があります。
マッドウォッチの主張は安っぽい正義感ではなく、未来を見据えた姿勢に感じ取れます。やみくもに利益追求するのではなく、過去の歴史をふまえ未来を構築してゆこうとするブランドには興味を持たざるを得ません。
文字盤からSWISS MADEを撤廃するあたり根性ありますね、いいじゃないですか。良い時計ですしね。

Hモーザーの時計は、グラデーションが象徴的な美しいフュメダイヤルが大きな特徴です。
また近年の作品は、文字盤からロゴやインデックスを排除しているのも目立ちますね。よくできた機械がメインですがそのヴィンテージテイストもHモーザーのイメージで、クセがある訳ではないのですが独特な形状のケースやリューズが好感だったりします。ドーム型風防や意識的にセットされたベルトも然りですね。
パーペチュアルカレンダーもアイコン的存在であるHモーザーですが、ナント年間製造本数は僅か1000本代だそうです。


さてやHモーザー。
これだけ種類が増えた時計業界において、ナカナカ肝の据わったブランドと云えるのではないでしょうか。お薦めできるブランドだと想います。是非、ご相談くださいませ。


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